ペンギンの問題や、SDガンダム三国伝は、どうやって作画してるんでしょう?
たぶん人間キャラはCGで立体化したものだと思うんですが、
そこに背景を重ねているんですか?
そうなると実質、人間やロボットの毎回の作画は
必要ないんでしょうか?
確かに、ああいった3DCGのキャラクターというのは、予めデータと
して作成された物を用います。手描きの様に、その都度いちいち新たに
描くという工程は、原則としてありません。
が、データはデータ。そのままでは単なる動かない「人形」みたいな
ものでしかありません。毎回のストーリーに合わせて、そのデータに
動きを付けて演技をさせて、生きたキャラクターとして運用する必要
があるのです。それを毎回毎回モニタ内で行うCG職人は必要ですし、
劇中で求められる演技や動きは、当然ストーリーごとに違います。
「手で絵を描く」のでは無い、というだけで、やはり職人が毎回毎回
締め切りに追われながら作業を行わなければならない、というのは
全く一緒なのです。
ガンダム等ですと、モーションキャプチャーと言いまして、人間の
俳優の動きをCGキャラクターに真似させるというシステムを用いる
事もあります。もっとも、これもやはり俳優が動けばそれでOKと
いう訳では無く、俳優の「動き」をデータ化する事までは出来ても、
それをキャラのデータにいかに上手くはめ込んで的確な演技をさせる
か、という段になると、どうしても手作業は不可欠です。
既に用意されたCGデータを動かすのですから、確かに手描きみたい
にキャラの形が崩れるという事はありませんが、CGキャラに動きや
演出を付け、映像として生き生きと動かす時には、差が歴然と出ます。
本来なら動く事の無い人形を、操り師が動かして命を吹き込むのと
同じ事です。操り師や演出家の腕前でもって、人形劇の出来映えが
大きく変わるのは当然でしょう。
CG生成の段階でのテクノロジー、そしてCG職人の技前、さらにCGが
どうのという以前の映像・映画を造形するという次元での腕とセンス…
これらに於いて残念ながら日本製の3DCGは、ハリウッドなどの海外製
のハイレベルなCGに遥かに及びません。ゲーム映像などの散発的で
断片的な物なら、国産CGでも一見美麗で見栄えがする様に思えますが、
劇場用などの凝った大掛かりな分野、映像作品としての厚み・深みを
求められるフィールドになると、とてもとても。
要は、日本のCGと言うのは未だに「手描きのラクな代用品」、もしくは
「CGだゾどうだスゴいだろ」といった見世物…のレベルを引きずって
いるのです。CGだからこそ出来る新たな映像表現とか、求める表現造形
のためのツールとしてCGを使い倒すとか、そういったある意味当たり前
の発想や志向が、日本では今もなお行き渡っていないのです。
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